俺様な狼上司に迫られて!
「ぶはっ…!!お前欲とまんねぇとか…ド変態…!!」
「っ…うるせぇタイガ!!シバくぞ!!」
---と
仕事終わりにタイガと飲みに行って
そんな話をすれば
このザマ。
…腹抱えて笑いやがって
こいつ絶対いつかシバく。
「…って、つかさ
お前マジで来週指輪買うの?」
「あ…?そうだよ。」
「え、もうプロポーズする気なの?
結婚するつもりなの?」
「……何が言いたい。」
タイガの言葉に
俺がそう尋ねれば
タイガは「それはお前…」と声を絞り出す。
「…ちょっと、重くね?」
「……は?」
--------え。
は?何で?
「だってお前らまだ付き合って半年も経ってねぇじゃん。
…その場のノリと勢いをまともに受けるとか重くね?」
タイガが俺にそう弁論してくる。
…え、待てよ。ちょ…
「…サユリがその場の雰囲気に流されて言ったって言いたいのか?」
「……そっか、お前まともな恋愛してきてないんだったなぁ…。」
哀れむように優しく微笑んでそう言うタイガに
少々イラッとしつつも
黙ってあいつの言葉を待つ。
「そりゃそんな事後にそんなこと言われりゃ、お互い気持ち高ぶってるし
言っちゃうだろ…。」
でもよくよく考えてみろよ
結婚なんて大事な人生の転機を
そんな考えもせずに
答え出していいものじゃないだろ…
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「…ただいま。」
家に帰ってくるまでの間
俺はタイガに言われたことを
何度も頭で考えていた。
……結婚か…。
「あ、おかえり。
おーちゃんとご飯食べてきたんだよね?」
「…あぁ。」
いつものように
優しい顔をして
俺のことを出迎えてくれるサユリ。
俺はそんなサユリを見て
胸をモヤモヤさせた。
(……なぁお前…。)
本当のとこ
俺と結婚するの、どう思う……?