俺様な狼上司に迫られて!
(------なんて考えてもダメだな。)
俺は自分のこの気持ちを
何処かに追いやって
ジャケットを脱いで
ハンガーにかける。
サユリは先に風呂に入ると言って
脱衣所の方へ行ってしまった。
……はぁ。
「…どうすっかなぁ…。」
ネクタイを取って
俺は頭をガシガシと掻きながら
リビングのソファに
ドカッと座る。
…考えないと決めたそばから
考え始めて、何してんだよ俺。
(……結婚、まだ考えられねぇかな。)
あいつまだ22だし。
他の女みたいに
早く結婚したい願望とか
寿退社希望とか…
そんなの無さそうだし。
…つかそもそも
あいつ恋愛に全然興味も無かったよな?
俺があんなに迫って
やっと本気で好きだって伝わる程度の
鈍感だし。
…え、まさか
(俺が結婚したいって言ってるのも
その場のノリとか思ってたり…?)
嘘だろ
そこまでの鈍感なのか?
というか疑い深すぎる馬鹿?
え、ちょ待った何かすげぇあり得そう…
(-------…ダメだ、永遠ループ…。)
結局答えのでないこの思考に
息を吐きながら
はぁ〜…と、ソファの背もたれに倒れ込めば
---ガチャッ
と
リビングの扉が開いた。
「…あれ、風呂早ェな サユ----」
---サユリ
そう言おうと横を向けば
俺は思わず、ショートした。
「…?どうかしたの、律樹?」
「……どうかしたの、じゃ…」
ねぇわボケェェェェエエエ!!!!