俺様な狼上司に迫られて!






「…!」






何も答えない俺の名前を
呼んだサユリに

俺がそんな行動を起こせば


サユリは驚いて
体を固まらせた。






(……サユリ。)







俺はただ

お前の気持ちが知りたいんだよ…。








「………悪い、ちょっと頭冷やしてくる。」







でも



そんなことを素直に聞けない俺は

サユリから体を離し
立ち上がると

そのまま風呂場へ向かい、リビングを出る。






脱衣所で服を脱いで
風呂場に入れば


シャワーをザーーっと出して


頭からかぶる。







(………。)








…なに焦ってんだよ。



根本を忘れて、アホだろ俺。








(……俺は、結婚が目的で
サユリと付き合ってるんじゃねェ。)







俺は

サユリが好きだから、付き合ってんだろ。






…そばにいたいから、同居してんだろ。








(…何、結婚に執着してんだよ。)






-----そばにずっといて欲しい。



一生そばに

俺の隣に…いて欲しい。







でもそれは俺のただの欲望で



それがサユリの

あいつの幸せに結びつくのか?






サユリの…願いでもなけりゃ

意味が無いだろ。








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