俺様な狼上司に迫られて!
「えっと……おーちゃんと…。」
「タイガと?何話してたんだ?」
律樹にそう尋ねられ
ギクっと体を揺らす。
…いやぁ…それは言えないっすよ…。
(結婚の話だなんて…ねぇ。)
「え、いや…ちょっと世間話を…。」
「……はよ言え。」
「--------。」
久々に鬼部長になる律樹。
仁王立ちで私を見下ろしながら
正直に言えと迫る。
「いや、本当に全然大した話じゃ---。」
「だったら尚更はよ言え。」
「え…。」
えぇ……
と私は言葉に詰まる。
正直に言うことはできない。
でも何て嘘をつけば…うぅ…。
「…い、言わない。」
「…は?」
「だ、だから、言わない!」
「はぁ?何でだよ。気になんだろ。」
おいサユリ、と
迫り来る鬼部長に
私は思わずササッと彼の前から逃れて
振り返って言う。
「こ、これはおーちゃんと私の内緒話なの!」
「…んだと?」
内緒だぁ…?と
私はむしろ彼に火をつけてしまったみたいで…
(-------げっ。)
気づいた時には既に遅く。
律樹はコロッと優しい笑みを浮かべて
こちらに向かって歩いてくる。
---ただし、黒いオーラ付きで。
(…え、え、あの これって…)
い、いつぞやのデジャヴ…。
「---それは聞き捨てならないなぁ、松岡ぁ…。」
「ひ、ひぃ…!!」
や、やばいこっち来る!!
に、に…
逃げろぉぉぉぉぉぉおお!!