俺様な狼上司に迫られて!
(------で。)
とうとう…
やってきました、土曜日。
約束は午後6時に 松岡家。
そして現在は午後5時。
家を出るのは、午後5時30分。
…あと30分…。
「律樹、今日はお酒控えてね。
私の親が飲んでたら尚更控えてね。」
「え、何でだよ。」
「収集がつかなくなるから!」
私はソファに座りながら
横に立つ彼にそう言う。
律樹は時計を腕にはめながら
こちらを見下ろして、?を浮かべる。
「私とお兄ちゃんがうるさくても我慢してね。
あとお父さんとお母さんがいじって来ても動じないでね。それから…」
「だぁーーー!もう分かったって!」
別に気にしねェよそんなこと!
と呆れながら言う律樹。
…ならいいんだけどさ…。
(あぁ憂鬱だぁ…。)
てかお兄ちゃんと会うのいつぶり?
半年くらい会ってなかった気がするんだけど。
お兄ちゃんも実家出てるから
余計に会わないんだよねぇ。
って言っても、実家にはよく行ってるみたいだけど。
(この半年間で兄が大人になってますように…。)
私は心の中でそう願いながら
ふぅー…と息を吐く。
「……よし、そろそろ出る準備しろ。」
「う…はぁい…。」
そう言われ
私はソファから立ち上がって
上着を羽織ってから
近くに置いておいたバッグを持って
玄関に向かう。
…うん、忘れ物なし。
「鍵は俺が持ってく。」
「分かった。」
そう言って2人で家を出て
玄関の鍵を閉める。
エレベーターのボタンを押して
中へ乗り込む。
「……なぁ、帰ったら」
「ん?」
「帰ったら…話がある。」
でも別に悪い話じゃない、
と言われ
私は ?を浮かべる。
…え、まさか転勤?
部署移動?
会社は一緒だから心配いらないぞ的な?
(……気になる。)
私は聞きたい気持ちを抑えながら
マンションのロビーを出て
駐車場へ向かう。
「…うし、出るぞ。」
「うん。」
実家へ
いざ行ってきます。