俺様な狼上司に迫られて!





「お父さん!!来たよー!」





そう言ってリビングへ行けば

相変わらずの姿で、
お父さんがソファで足を組んで座っていた。







「おぉ、よく来-----ブッ!?」







余裕を見せながら
新聞に顔を伏せていたお父さんが

お母さんの言葉にそう言いながら
顔をあげれば



飲んでいた紅茶を 詰まらせむせた。




…さすが夫婦。似てる。








「ゲホゲホ!…っ、え?!
あれ何か想像と違うぞ!?」

「あははは!もうお父さんったら
落ち着いて!」






何を想像していたのか

予想外の展開に驚き慌てるお父さんを見て、お母さんが大爆笑。

バシバシと、むせるお父さんの背中を叩く。







(あぁ、恥ずかしい…。)






そう思いながら私は
おでこに手を当てて下を向く。


…お願いだから大人しくして2人とも…。







「もうそろそろ長男が帰ってくるから、
準備始めちゃいましょうか。」






そう言ってお母さんは
台所に向かっていく。


リビングに残された私たちは
適当に荷物を置いて、適当に座る。



私は律樹をその場に残して立ち上がり、
台所にいるお母さんの手伝いに行った。







「じゃあこれ運んじゃうね。」

「うん、よろしくー。」







そう言ってお母さんもいろんなものを持ってリビングへ。


机にどんどん料理を運んで行って

すぐに机一杯に埋まる。






ピーンポーン…








そんな時に
タイミング良く玄関チャイムが鳴った。



…お兄ちゃんだ。








「私でてくるね。」

「うん、お願いー。」





そう言って玄関に向かい、
鍵を開ける。


すると扉が開いて

外から現れたのは…








「…うぉ!サユリ先に着いてたのかよ!
久しぶりだな!」

「久しぶり。」







やはり前と変わらない、お兄ちゃん。







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