俺様な狼上司に迫られて!
会社帰りらしく、
スーツとカバンを持って帰ってきたお兄ちゃんは
靴を脱いで、リビングへ向かう。
「先に彼氏座ってるから。」
「おー、了解了解。」
そう軽く返事をして
お兄ちゃんがリビングへ1歩入る。
すると-----
ボトッ。
…っと、
案の定というか
やっぱりかよ…という反応を示すお兄ちゃん。
律樹を見るや否や
カバンを床に落として…
「…だ…だ…!
誰だこのイケメンはぁぁーー?!」
----と
大きな声で、絶叫。
「…どうも、サユリさんとお付き合いさせていただいてます。神崎律樹です。」
そんなお兄ちゃんに
少々驚きながらも
普通に挨拶をする律樹。
そんな律樹を見て
お兄ちゃんは固まっていた。
「…おいサユリ!
お前まさか見栄張って助っ人頼んだんじゃ…!?」
「んなことするかアホ!!」
と私がお兄ちゃんにツッコミを入れると
納得いかないという顔で
私を見るお兄ちゃん。
…どいつもこいつも失礼極まりないなオイ。
「ほら、あんた達座って。
ご飯始めるわよ。」
というお母さんの言葉で
ようやく私たちは全員揃って
リビングに座る。
「…えっと、改めてまして…
彼氏の、神崎律樹さんです。」
「初めまして。神崎です。」
私から彼を紹介すると
みんなも自分から自己紹介を始める。
「こんばんわ!
母の松岡尋美(ひろみ)です。」
「父の晃治(こうじ)です。」
「兄の彰良(あきら)です。どうも。」
じゃあ…
というお母さんの合図で
「かんぱーい!」
宴 開始です。