俺様な狼上司に迫られて!






(え、あの、えっと…?)






家族の前でまさか
こんな宣言をされると思わず

私はビックリした。




…私の家族は、もっとびっくり。







「……そ、そう…ですか…。」







今までふざけていた家族だけど

この時だけは
驚きすぎてなのか
急に真面目になって、そう言った。




さすがのお父さんとお兄ちゃんも
これは現実的に受け入れたみたいで…。








「…うちの妹、よろしくお願いします。」

「娘を、ぜひもらってってください。」








と、律樹に告げた。




結婚を前提にって言ってるだけで
まだ結婚が決まったわけじゃないのに…






何でこんなに

現実味を帯びてるんだろう、彼の言葉が。








「…にしても何でサユリなの?
他にもいい女の子いたでしょう?」




特に律樹さんだったらさ、



と疑問を口にするお兄ちゃん。

確かにそれは私も気になってたけど…。







(前から好きだったって聞いただけで
よくは知らないなぁ…。)






と、隣の律樹を
黙って見上げれば


何だか言うのが恥ずかしいらしく

少々照れながら
私から視線を逸らす。








「……真っ直ぐな子だなぁ…と、思って…。」

「…真っ直ぐな子?」







お母さんとお兄ちゃんが
どういうこと?という顔をしていれば

律樹が言葉を続ける。







「…真面目で、しっかりしてて…。
なのに他の子みたいに息抜きもしないし…。
すごいなぁって思ってて。」






俺より年下なのに
やること全部こなしてるところに

憧れを持ってたのがきっかけです、





と律樹が言う。






(…そんな風に思ってくれてたんだ…。)






初めて聞いた彼の言葉に
私は嬉しい反面、照れ臭かった。







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