俺様な狼上司に迫られて!
「この子が気を許してくれる場所に
俺がなりたい…って、思ったんですよね。」
最初は全然なびいてくれませんでしたけど、
と笑う律樹に
お父さんとお母さんは
何だかホッとしたように笑みを浮かべる。
「そうですか…。
律樹さんが、一途な人で良かった。」
そう言ったお母さんが
お茶の入ったポットを開けて
律樹にもう一杯注ぐ。
お兄ちゃんも
「すげぇ…。」と言いながら
ビールをグビグビ飲む。
(………律樹…。)
彼の言葉に
私は笑みを浮かべて、彼を見る。
素直に、嬉しい。
「今付き合ってどのくらいなの?」
「3ヶ月過ぎた…くらいですね。」
「あれ、まだ出来たてホヤホヤなのね。」
(いやホヤホヤではないけどね…。)
と心の中でつっこむ。
「じゃあもう少ししたら同棲したら?」
「いや、もうしてるよ。」
「ブッ------⁉︎」
ゲホゲホ、とむせるお母さん。
えぇ?!もうしてんの?!
と家族全員がビックリ。
結構すぐに始めたけどね。
「サユリすぐ汚くするから気をつけて。」
「ちょっとお兄ちゃん黙って!」
「この子朝からうるさいけど怒らないであげて?」
「お母さんも余計なことはいいから!」
「あとよく酒はほどほどに。」
「お父さんも!!」
はぁ…余計なことを…
と私が怒っていれば
横で律樹はクスクス笑いながら
「大丈夫ですよ。」と言う。
(うぅ…恥ずかしい…。)
そんなことを話しながら
どんどんお酒は進んでいって…。