俺様な狼上司に迫られて!
約束します!
しかし
帰る途中、どこか違和感を感じていた。
-----あれから20分
一向にいつもの家の付近に近づかない。
というよりむしろ、遠ざかってません?
「ねぇ律樹…何か家から遠ざかってない?」
「ん?…あぁ、ちょっと寄り道しようと思ってな。」
少し付き合えよ、と言う律樹に
私は どこに行くつもりなんだろう…、と
疑問に思いながら
もうしばらく、車に揺られていた。
そしてもう少しすると
何だか坂を登って
公園のようなところに着いた。
そこで、律樹が車を停める。
(え…ここ…?)
降りると、そこは
来たこともない大きな公園があった。
もちろん、こんな夜遅くに
子供なんかいないけど。
「律樹?寄りたかったところってここ?」
「そうだ。
…まぁ、こっち来てみろよ。」
私は律樹にそう言われて
彼の方へ近づく。
すると目の前には
(え…!すごい…!!)
キラキラと輝く
都会の夜景が広く見えた。
「すっごい綺麗…!!」
私がそう言うと
「だろ?」と言って
得意げに笑う律樹。
こんな場所知ってるなんて
さすがというか意外というか…
(都会にこんな景色のいい
丘の公園があるなんてなぁ…。)
今まで住んでいて全く気づかなかったや
と思いながら
その景色に見惚れていると
-----ギュッ…
「…!!」
不意に横にいた律樹が
後ろに回って、私を抱きしめた。