俺様な狼上司に迫られて!
「やっほー!
サユリどんな感じ…って何だよー
皆先にお揃いなわけ??」
「あ、おーちゃん!」
入ってきたのは、おーちゃんだった。
おーちゃんも珍しく
見慣れない正装をしながら
赤茶の髪も
いつもと違ってきちんと整えられ
何だかいつもより、真面目モード。
「あ、タイちゃんも良いところに来た!
ほら、サユリの横に立って!
あ、でも2人だと何か律樹くん嫌だと思うから …彰良、反対側立って!」
「はぁ?何だよその配慮。」
お母さんの指示に
はぁ?と言うお兄ちゃんだけど
言われた通りに
おーちゃんとは反対側の
私の隣に立つ。
「はい撮りまーす!
1、2、3!」
カシャッ
そう言って写真を撮ると
おーちゃんが隣にいる私を見下ろして
「うん、良いね似合ってるよ。」
アパレル職の俺が言うんだから
やっぱり間違いなかったわ、と
おーちゃんが満足そうに笑って
私に言う。
実はこのドレスも
アパレル職のおーちゃんが
特別にデザインしてくれた
特注のドレスだったりする。
「本当におーちゃんありがとうね。
こんなステキなドレス…。」
「いーのいーの、
大事な幼馴染と親友のための
ご祝儀代わりってことで。」
ね?
とウインクするおーちゃんに
ありがとう!と私が笑い返せば
「…はい、っつーことで
タイガ少し離れろ。」
「あらあら、妬いてるの?新郎くん。」
そう言って私の肩をだく、律樹。
おーちゃんにそう言われ
「っ、アホか!」と
満更でもなさそうな様子で
少々頬を赤く染める。
ふふ、相変わらずヤキモチ妬きだなぁ…。
「はーい、じゃあ邪魔者は
式場で先に待ってるとしましょうか!」
ほら、行くよタイちゃん?
と言って
お母さんが皆を連れて
私に笑みを送ってから 部屋を出て行く。
------バタンッ
「…ふふ、2人きりだね。」
「あぁ、だな。」
私がそう笑いかけると
律樹も嬉しそうに私を見下ろす。