俺様な狼上司に迫られて!
---なーんて
悠長に考えている場合じゃないんです。
そんなこと考えてたら…
あっという間に当日迎えちゃったんですよ!!
(え、どうしよ。服も何も決めてないぞ。)
いやまぁ、ね?
ただのパシリデーだっていうことは
分かってんだけどさ
あんな高級車持ってる部長のことだから
買い物もそれなりに良いところでしそうじゃんか。
それで私が
みすぼらしい格好隣でしてたら
なんか失礼かな〜…とかさ。
私だっていろいろ考えるんだよ。
(んー…まぁこんなんでいいか。)
シンプルに
上は薄い青のカラーシャツ、
下は少し上品めの白いタックパンツ。
まぁそんで適当にシンプルなアクセサリーつけとけば…
「………。」
おぉ…何か…
今から出勤しそう…。
(ってコラ!!)
いつものスーツ出勤とさほど系統変わんねぇじゃねぇか これじゃ!!
………まぁもういいや。
別に変ってわけでもないし。
こんな感じの大人の女性は世の中たくさんいるよな。
私もその1人に仲間入りするだけだ、うん。
着替える時間もないので
私は鏡を見ながらそう自分自身を説得して
髪の毛を適当に整えながら
バッグの中身を確認。
うん、よし。忘れ物ないな。
------プルルルルル…
そんな時
タイミング良く私の携帯が鳴る。
「はい、もしもし。」
「着いた。もう降りてこれるか?」
「あ、大丈夫です!
今から下降りますね。」
案の定、相手は部長。
私は電話を切ると
バッグに携帯を入れて
靴を履いて玄関を出て 下へ向かう。
「…あ、部長!お待たせしました。」
「………。」
家の下では
前と同じく、車から降りて
寄っかかりながら立っている部長の姿があった。
そこにかけよれば
部長は私を見て
やっぱりな…と眉を寄せながら横を向く。
え、何がやっぱりなんですか。
「女っ気がないのがお前だもんな…。」
「はい?何の話ですか?」
「…何でもねェ。 ほら乗れ。」
そう言って何だか残念そうな顔をしながら
はぁ、とため息を吐いて
助手席のドアを開けてくれる部長。
…あれ、何か優しい。
「あ、ありがとうございます…。失礼します。」
「ん。」
そう言って部長はドアを閉めて
自分も乗り込み、車を発進させた。