俺様な狼上司に迫られて!
「………。」
「…あの、部長…。」
「…何だよ。」
「な、何を怒ってらっしゃるんですか?」
車を走らせながら
なんだかご機嫌ナナメの部長。
何だか電話で話した時より
機嫌が悪くなってる気がするんですけど…。
(私なんか怒らせるようなことしたかな…?)
と頭の中を探るも
全く心当たりがない。
「…別に怒ってねェ。」
「え、怒ってるじゃないですか。」
「怒ってねェ。」
「え、でも…。」
「っ…違ェんだよ、これは怒ってるんじゃねぇんだよ!」
私が言えば
ムキになってそう声を上げる部長。
??
と私がハテナを頭に浮かべれば
部長は何だか拗ねているように頭を掻いて
「っ…いい!気にすんな!」
と無茶苦茶な要求を私に言った。
(いや気にするなって…)
隣にいるんだからそりゃ気にするでしょうよ…
と思いながらも
それ以上言えず、私は
「は、はぁ…。」と曖昧な返事を返す。
(そういや今日 一体どこ行く予定なんだろう…。)
何も聞かされていない上に
今この状況で聞くわけにもいかず
私はそのまま部長が車を進めるのを
見守るしかなかった。