俺様な狼上司に迫られて!
そんな彼を見上げながら
息を飲む私を
覗き込むように
さらに顔を近づける部長。
「っ、り、律樹…!」
「……サユリ。」
-------ドキッ…
顔を近づけてから
少し下に向いていた彼の視線が
不意に私の目へ戻ってくる。
そして私の名前を呼んで
肩を掴んでいた両手は
腕を滑り、そのまま下へと下がって
私の腰に絡まる。
(っ……!)
そしてそのまま背中に回され
顔は近づいたまま
体を引き寄せられ、また密着する。
(っ、今までツンツンしてたのに…
こんな色っぽい表情するなんて…!)
こんな部長、知らない…
そう思いながら
部長と視線を絡ませる。
「……なぁ。」
少し間があった後に
また部長が口を開く。
「…はい…?」
私がそれに
小さく答えると
はぁ…と 熱い息が
私の顔にかかる。
そして
我慢できないというような
苦しそうな 熱い瞳で---
「……キス、したい。」
------ドクンッ…
私にそう呟いた彼の表情が
あまりにも苦しそうで、
でもものすごく美しくて…
その色気に翻弄された私は
返事を言う代わりに
静かに、目を閉じていく。
それを見て
彼もまた、ゆっくりと瞼を閉じていき…
「……んっ…。」
そうして静かに
唇が重なった。