俺様な狼上司に迫られて!
(----------。)
部長の言葉に
私は思わず言葉を詰まらせる。
私は 今の部長の言った言葉の意味が
分からないなんていう子供ではない。
あの表情で
こんなこと言われれば
「………っ…。」
「…なんつー顔してんだ、お前は…。」
と 部長が照れながら眉間にシワを寄せる。
そりゃ…
私だってそんなこと言われたら
顔くらい赤くなるっての…。
「…ぶ、部長が
そんなこと言うからいけないんですよ!」
「へぇ…?俺のせいか?」
「っ、あ……。」
私がムキになって部長に言えば
部長はそんな私に
ピクッと眉を一瞬動かして
静かに黒い笑みを浮かべながら
台所へと歩き進めていた体を
こちらへ向けて戻ってくる。
「昨日はあんな素直だった癖に。」
「っ!」
そう言いながら
食器を机に置いてから
そこに座っている私に
ジリジリと 近づいてくる。
「な、ちょっと来ないでください…!」
「却下。」
「えっ!」
私の言葉を無視して
部長はそのまま私に近づいて
ついには私の腕を
-----パシッ!
と掴んだ。
その瞬間
私の心臓も ドキッと鳴る。
(-------っ…顔、近い…!!)
至近距離に近づいた部長の顔に
私は思わず息を飲む。
…心臓が、うるさい。
「フッ……顔が赤いぞ?」
「っ、言わないでください…!」
部長がからかうように私にそう言って
また口角をあげる。
ドエスな俺様め…!
意地悪モードに突入しやがった…!
そう思いながらも
私の体は素直に
部長にドキドキしている。
顔が赤いのもわかっていた。
そんな私の頬に
空いているもう片方の手を添えて
優しく撫でる。
(…っ……。)
そしてそのまま手は
サラッと頬を撫でて
私の顎へと移動すると
そのまま
-----グイッ
と掴まれ上を向かされる。
「っ……ぶ、部長…!」
「…目ぇ瞑ってろ。」
-----ダメだって、分かってるのに。
こんな流され方いけないって
恋人でもないのにこれ以上
こんな関係ダメだって分かってるのに…。
私は目の前の彼に
逆らうことができなかった。