俺様な狼上司に迫られて!
自分で言ったくせに
部長の返事が---怖い。
幻滅させられることを望んでたのに
いざその言葉を聞くのが怖いなんて…
私はどうかしてる。
「………。」
そんな私を見て
部長は目を見開いて止まっていた。
…そりゃそうだろうな。
さっきまで普通に接してたのに
昨日と同じようにキスしたら
私がこんなことを言い出すんだから。
(…呆れられるだろうな、多分。)
あっちには その気はないだろうし。
私だって 自分の気持ちがよくわからない。
お前だってそんなつもりなく
流れでキスしたんだろ?
なんて言われてしまってもおかしくない。
「……お前、本気でそんなこと言ってんのか。」
「………。」
「本気で何も…気づいてないのか。」
部長が真面目な顔で
私にそう尋ねてくる。
(-------気づく…?)
気づいてないのか、と言われ
私は何のことだと頭で考える。
(その気がないのにした…ってことをか?)
でもそれならもう気付いている…けどな。
そう思いながら
私は部長を見上げる。
部長は私を見ながら
真剣な顔を
段々と緩めたと思ったら
何故かまた
悲しそうな…寂しい表情をした。