俺様な狼上司に迫られて!
(…何が、起こったんだ…。)
部長の言葉にフリーズした私は
ただ黙って部長の顔を見ていた。
あの会社のアイドルの部長が
私を-----好き?
頭の中でそう認識すると
私はさらに目を見開いた。
「…まさかお前がこんなに鈍感だったとはな。」
私の反応を見て
部長は はぁ…と深いため息をつく。
そして先ほどまで悲しそうな表情をしていた顔は
呆れたような表情へ変わり、
でも 寂しそうな瞳で私を真っ直ぐみていた。
「…あ、の…部長…。」
私は部長の言葉に
何か返さないと、と思い
口を開く。
しかし
自分の気持ちもよくわからないまま
返事をすることができるはずがなくて…
(-----っ、どうしよう…。)
と私は焦った。
しかし部長はそんな私を見て
何か察したのか
「…無理して言わなくていい。」
と言ってきた。
そして続けて
「別に、返事を今聞くつもりはないからな。」
そんなつもりで言ったわけじゃない。
と部長は目を伏せて言って
そのまま立ち上がる。
あ…、と私が声をあげれば
部長は私の方を振り返って
「返事…」
と言いながら、私を見て
続けてこう告げた。
「絶対にお前に"好き"って言わせてみせる。」
だから覚悟しろよ。
と
部長はいつもの余裕の笑みを浮かべて
私に宣言した。
(っ…え…!?)
先ほどまでの切ない表情を一変させ
吹っ切れたように次は
自信家の部長に戻っていた。
そんな部長の宣言やら
告白やらを頭で認識して
私は思わず顔を少し赤くする。
「…だから、今日はまだ帰さねェ。」
口角をあげながら
そう言った部長の表情に
私は不意にも
ドキッ…とした。