俺様な狼上司に迫られて!





私は思わずマユコちゃんの言葉に
目を丸くした。






「え。」







…ちょいちょい待ちなさいマユコ様…。



私が?部長を?






(-------そんなまさかまさか。)








「だってそれって、独占欲っていうか
私だけを見て?って意味の気持ちじゃん?」

「ど、独占欲?!」

「そうだよ〜。好きな人には誰もが抱く気持ちだよ。」







22歳にもなったいい大人が
こうして恋愛の基本の気持ちを教わっているなんて

何か変な気分だ。




で?


しかもこの気持ちが独占欲?






…いやもう私の頭の中アンビリーバボーだよ。








(嘘だろ私ーーー!
そうなのか?そうなのか私!?)








私はマユコちゃんの言葉で
頭が大混乱だった。




何かもっとこう…やっぱりハッキリしない心理なのかな、とか

友人として普通の気持ちだよ〜
みたいな答えをおおよそ予測していたんだが。




なんとまぁ斜め上どころか
1kmくらい先の答えだったよ。







「え、じゃあ私…その人の事、好き…なのかな…?」

「うん。絶対そうだと思う。」






恋愛マスターは私にニッコリとそう告げて
厨房から頼んだ料理を席へ運んで行ってしまう。


私もその後を追って
料理を持ちながら席に着く。







(……え、じゃあ私どうするべきなの。)







もしあそこで気づいていたら

本来付き合っている…べきですよね。




でも何か地味に断ったっていうか
部長も部長で
私にその気はなさそうって判断して


…あ、あんな答えを言ってきたわけだし…。







(あくまでも人の意見だからなぁ…
参考程度にまだ様子を見た方がいいか?)







私が自分で自覚したら
その時は……ってことにしようかな。




うん、そうしよう。









「…じゃ、じゃあ他には好きだったらどんなこと思うものなの?」

「…うーん…そうだなぁ…。」







私の質問に
マユコちゃんが目をつぶって考える。









「…"この人のために何かしてあげたいなぁ"とか?」

「何かしてあげたい…」

「そう。好きな人のためなら
力になりたい、っていうか
頑張りたい!みたいなさ。」






そう言ってマユコちゃんは
可愛い笑顔を私に向けて

いただきます、と言って昼食を食べ始める。






何かしてあげたい、かぁ…。







(………。)









部長のために、ねぇ。






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