俺様な狼上司に迫られて!






-------バンッ!!





7時を周り
皆が帰り始めた頃


俺は資料室に資料を返しに行った松岡を追って中に入る。




そして
一緒に入ってきた俺に驚いて振り返ったあいつを壁に追い詰めて
力任せに、バンッ!!っと。







「お前…どういうつもりだコラ。」







見下ろした先にいるサユリに
俺は不機嫌にまかせて低い声で告げる。


正直、イライラの限界だった。







「うっ…な、何のことで…」

「ふざけんな。とぼけても無駄だ。」







半日ずっと避けやがって。

しかもあからさまに
こんな行動されればイライラ溜まんだよ。





(朝はこっち気にしてた癖に…。)






何か不満があるなら言えっつの。









「避けてた理由を言え。」

「さ、避けてなんか…」

「言わないとここで犯す。」

「えっ?!」








それが嫌なら早く言え。



俺がそう言えば
サユリはうぅ…と視線をキョロキョロさせながら
仕方なさそうに口を開き始める。








「……じ、自分の気持ちを…確認しようかな、と…。」

「…と言うと?」

「………ぶ、部長のことどう思ってるのかな…って…。」







…は?俺のこと?








「何でだよ。今は考えなくていいって言ったろ。」







(後々言わせんだから。)








「いや、そのですね……
一応現状を把握しようかな…と思って。」








何だか顔を赤くしながら
モゾモゾ恥ずかしそうに言うサユリ。



……よくわからん。





でもとりあえず
俺を嫌って避けていたわけではなく



結局自分のために避けていた…と。






(…へぇ……。)








「ってことは、アレだ。
俺はお前の勝手な判断に振り回されてたわけだ?」

「うっ…そ、そんな酷いような感じでは…。」

「酷ェだろ。
おかげで俺は今日ずっと仕事に集中できなくてストレスだったんだからな。」






と少し大袈裟目に深くため息をついて
あいつを責めれば


申し訳なさそうに
罪悪感を顔に露わにして

ごめんなさい…と言うサユリ。






……割と悪くないなこの気分。


こいつをいじめるのは結構楽しい。







俺は口角をあげながら
あいつに告げる。








「この詫びは…してもらわねェとな…?」







< 53 / 212 >

この作品をシェア

pagetop