俺様な狼上司に迫られて!
-------カチッ
家に着いてから
部屋の電気をつける。
…何だかんだ男の1人暮らしって
寂しいもんだよな。
世のサラリーマンが
結婚したくなる気持ちがよく分かる。
(…ビール1杯くらい飲んで
風呂入ったら寝よ。)
今日はいろいろとあいつのせいで疲れた。
いい歳して恋愛に気持ちを左右されるなんて情けない、と思いながら冷蔵庫を開ける。
-------プルルルルル…!
そんな時に携帯の着信が鳴った。
こんな微妙な時間に誰だ?
…仕事の用だったら出ねェ。
(----------あ?)
そう思いながら表示を見れば
全然会社と関係ない人物からだった。
久々に電話なんて来たな。
「…もしもし。」
電話に出れば
相変わらずの軽いトーンの返事が返って来た。
「おーっす!元気してたー?
しばらく連絡してなかったけど。」
「変わらずな。
…何の用だ虎(タイガ)。」
大津虎(オオツ タイガ)…
俺の学生時代からの親友…的な人間。
アパレル業界で仕事をしている。
「別にー?今度飲みにでも行かないかっていう誘いよォ。」
「別に連絡さえくれればいつでもいい。
…たまに急に行けねェ時あるけど。」
「えー何それー、会議とか?それとも彼女?」
「んー…女。」
プシュッ!とビールを開けて
ゴクゴクと飲み、そう言った。
ネクタイを緩ませながらジャケットを脱ぎ
ハンガーにかけてからネクタイを取り去る。
「は、女って何だよ。
お前もついに抜け駆けかよー!」
「あ?別に良いだろうが、勝手だろ。
そういうお前の方はコロコロ女変えやがって。」
そう言いながら腕の時計を取って
机に置く。
お前が女癖悪いのは昔から知ってる。
少しはいない期間に反省でもしてろ、と思う。
「じゃあその子も連れてきてよ。」
「…は?」
タイガの言葉に
俺はシャツを脱ぐ手を止めた。