俺様な狼上司に迫られて!
(--------っ…?!)
すぐに離れたその唇を
視線で追って
そのまま部長の顔を見上げれば…
「…勝手に逃げ出すなんて許さねェ。」
(っ-------!!)
まるで 獣の瞳。
熱っぽい視線が私を捉えて
ギュッと抱き締める腕が強まると同時に
ドキッ-----と私の心臓が鳴る。
「何なら、今ここで思い出させてやろうか?」
「っ…!?」
耳元に 意地悪な部長の低い声が響いて
体がビクッと反応する。
「え、遠慮します!!」
私はハッとして
グイッと部長を押しのけて
ベッドから出て行く。
そして下に畳んである私の服をガバッと取って
そのまま元いた寝室を出て行く。
(う、嘘だ嘘だ嘘だ…!!)
私は部長の家の中を進んで行って
急いで着替えを済ませて
リビングに置いてあった私の荷物を持つと
そのまま玄関まで急ぎ
そして家を出て行った。
(本当に、本当に私部長と…?!)
覚えていない自分の失態と
もし事実だったら大変な出来事だと自覚して
私は歩きながら
ひどく泣きそうな顔になった。
(私、何てことを…!!)
知らない街を歩きながら
何だかものすごく恥ずかしくて
早足で自分の家まで向かう。
ズキンズキン痛む頭なんて気にしてられず
私はそのままタクシーを捕まえて
家へ帰った。