俺様な狼上司に迫られて!





「…その人といると幸せ?」

「んー…そう、かも。」

「その人と一緒にいると、楽しい?
甘えられたりすると、嬉しい?」

「え……う、うん…?」






おーちゃんが質問してくることに
私は曖昧ながらも答えると

おーちゃんはニコっと笑って
私に言う。






「好きじゃん、それ。」







そう言っておーちゃんはグラスを持って
グイッと一気に飲み干す。


私はそんなおーちゃんの言葉に
目を見開いた。







「俺といるのと、その人といるの…何か違うでしょ?」

「う、うん…。」

「あっちといると…何か満たされる感じするでしょ?」

「…うん。」







「---それが好きってことだよ。」









おーちゃんが
酔っているように見えた雰囲気を

ガラッと変えて

真剣な顔で、口元をあげ
私を見た。





……あ、やっぱり私…







(部長のこと…好き、なんだ…。)






あんな始まりだから
ありえないって思ってたけど…


私、彼のこと好きなんだ。







私がそう自覚すると

おーちゃんは元のように戻って
ケラケラ笑いながら私に言う。





「はは、何かピュアな感じして
サユ可愛いねー。」

「なっ…?!」






おーちゃんの言葉に
私は顔を赤くして 声を上げると


おーちゃんは私の頭を撫でながら
うんうん、と頷く。







「あーあ、こんな可愛いってもっと早く知ってたら
サユのこと貰ってたのになー。」

「ちょっ…おーちゃん飲み過ぎ!」

「はは。
……サユ。」






おーちゃんがふと真面目に 私の名前を呼ぶ。







「…幸せになりなよー?」






おーちゃんは私を見てそう言うと

本当のお兄さんのように



私にそう言った。







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