俺様な狼上司に迫られて!
「…松岡。」
「?!」
仕事に戻るや否や
声をかけてきたのは…部長。
何の用かと私が後ろを振り向けば
「今日飲みに行ってくる。」
「……へ?」
「女1人来るらしいから
一応、言っとこうと思って。」
そう言って
いつものように王子スマイルを向け
じゃあ仕事がんばってね、と
スタスタ歩き去ってしまう。
(……え、今の…。)
何の報告…?
と私は混乱していたが
昨日の出来事を思い出して
あ、となった。
(もしかして部長…
私に心配いらないってことを伝えに…?)
私が昨日、おーちゃんと飲みに行った後だし
同じような誤解が出ないようにってこと…?
(---------っ、あの人はまったく…!)
付き合ってもない、彼女でもない
そんな私でも
大切に…してくれてるんだ。
「ふーん…?
サユリ愛されてるね〜?」
「え…?」
隣に座っているマユコちゃんが
私と部長のやり取りを見て
そう言った。
勘のいいマユコちゃんのことだ
何かを察したらしい。
「そっかぁ…部長はサユリを…ふふっ。」
「な、何でそんな楽しそうな目を…。」
「え?だって楽しいもん。
サユリがどうするのか、お楽しみ。」
前言ってた彼と部長
どっちなのかなー?
とニヤニヤしながら仕事に戻るマユコちゃん。
(あ…そうだ、マユコちゃん知らないんだった…。)
その前言ってた彼と部長が同一人物だって---。