俺様な狼上司に迫られて!
ついて行った先で到着したのは
…まぁ居酒屋、っすね。
暖簾がかかっていて
"ハチヤ"って書いてある居酒屋さん。
うーん、お酒が美味しそう。
(こんなサラリーマンの街だもんなぁ…
仕事人が行くって言ったら居酒屋だよな。)
「いらっしゃーい!
お、タイガくんやっと来たかー!」
「うぃーっす!こんばんわー!」
と
何やら店主とおーちゃんが仲良さそうにご挨拶を交わしていた。
私の隣で同じ光景を見ていた部長が
「さすが人たらし。」と呟いていたのを聞いて、私は思わず苦笑い。
「じゃあ注文決まったら呼んでくだせーい。」
と店主のおじさんが通してくれたのは
店の奥にある座敷。
そこに座って
おーちゃんが先に頼んでくれていたらしいビールを手に取り
飲み会が始まった。
「-----で?2人は何繋がりなんですか?」
乾杯を済ませ
一口飲んだ後に、私が尋ねる。
おーちゃんはヘラッと笑いながら
部長を見て言う。
「俺ら学生からの同級生!
大親友だよなー?りっちゃん?♡」
「っ、気持ち悪い近寄るな!
…まぁそういうことだ。」
え…2人が同級生って…
(見、見えない------。)
おーちゃんはこう見てわかるように…
何だか年上な感じしないし
部長は何ていうか……上司だし?
老けてるとは言ってないけど若さが足りないような…
「おい、顔に出てんぞサユリ。」
「ブッ------⁉︎」
思い切りビールを吹き出しかけた。
薄っすら睨みながら私を見て言うもんだから
心臓に悪い。
それに…だ、誰も老けてるなんて言ってないじゃないすか!
「そんでー?
お前らは会社の上司と後輩なんだ?」
と そんな私たちのやり取りに入ってくるのはおーちゃん。
私が頷けば
ふーん?とおーちゃんがニヤつく。
(---------あ。)
その顔で思い出した。
そうだ私あの日…
おーちゃんに上司に好きな人がいるって話してたんだった。