俺様な狼上司に迫られて!
(うわぁぁあーーー!!いきなり詰んだぁぁーー!!)
私は心でそう叫ぶ。
ニヤつくおーちゃんに
視線で制止を訴えるも
分かっているのか分かっていないのか
ニヤつく顔をやめない彼。
おい!いくら幼馴染だからって意地悪良くないぞ!!
「…おい、何ニヤついてんだタイガ。
早く何頼むか決めろ。」
「えー?俺なんでもいいよー。
お前ら "2人で" 決めればー?」
「っ……!!」
-----この野郎…。
年下イジメとはいい趣味してるじゃんかこの人たらしィ!!
私は面白そうに笑みを浮かべるおーちゃんに
噛み付くように反抗的な表情を返した。
それを見て ただハテナを浮かべる部長。
「ちょ…ちょっとおーちゃんこっちおいで?」
「えー?ヤダ。」
「なっ…何でよ来てよ!!」
私はおーちゃんに口止めを行おうと
引きつる笑みと一緒に彼を呼び出す。
素直に応じない彼に
少々強引ながらも引っ張って連れて行く。
「---------。」
そんな行動を部長が少し怪しみながらも…
「…おーちゃん、分かってると思うけど
昨日のことは口外禁止。」
「えー、何でよ。イイじゃん、言えば。」
「なっ…ダメに決まってるでしょ!
そんなの私とあの人の問題なんだから!」
「さっさと言えば良いじゃん。
何をためらってるんだよビビりだなー。」
(び、ビビり…?!
余計なお世話だっての!!)
OLのお姉さんにだって
自分なりに恋する権限くらいあるんだから!!
「とにかく!
絶対に変なことはしないでよ?!いい?!」
「へーへー。わかりましたよぉー。」
私がおーちゃんにそう言えば
おーちゃんは納得いってなさそうな顔をしつつ
そう返事をする。
ふぅ…と 私が息をついたが---
私は彼の…おーちゃんの
酒癖の悪さをスッカリ忘れていたのだ。