俺様な狼上司に迫られて!
--------ギュゥッ…
本当に
本当にさらに強く 部長の腕に力が入った。
どちらのものか分からない音が
静かに鳴っている。
----ドキン、ドキン…
----ドクン、ドクン…
「ぶ…ちょう……。」
私がやっとの思いで
彼を呼ぶと
部長は 静かに私の肩に
自分のおでこを押し当てるように
顔を伏せた。
「……あいつが言ってたこと、本当なのか。」
低い声が すぐ近くで聞こえた。
腕の力を弱めることなく
私の存在を 確かに感じるように
部長はしっかりと 私を抱きしめていた。
「俺が好きって……本当なのか。」
しっかりと 核心をつくように
そう尋ねてくる部長。
私は震える声で
えっ、と… と言葉を発するのが精一杯だった。
(…どう、しよう……っ。)
緊張で…泣きそう。
自分の気持ちを言うことが
こんなにも恥ずかしいなんて。
認めることでさえ
自分らしくない、と恥ずかしがっていたのに
…今私は
本人に、それを伝えなくてはいけないのか。
「……サユリ。」
-----ドキンッ
部長が 私の名前を呼んだ。
ただそれだけなのに
ビクッと体を揺らすほど
ドキッと した。
部長は私から体を離すと
私を向かい合わせにするように
体の向きを変えさせて
じっ…と、私を見下ろす。
その瞳には
今にも泣きそうなほど
気持ちのこもった-----熱を感じた。
「……言えないなら、頷け。
…お前は俺が……好きなのか?」