俺様な狼上司に迫られて!
(-------は?俺が?あいつを…?)
最初は俺も驚いた。
まるでちゃんとした恋愛をせず
流されるままいろんな経験を経て
結婚なんて眼中にも無かったし
大人になってまで
あんな面倒なもの したくない
そう思っていたのに、だ。
-----無性に あいつから愛されたいと思った。
俺だけ見ていて欲しいと思った。
沢田にだってやりたくない
課長にだって 社長にだって
他の後輩の男にだって…渡したくない。
ただそんな気持ちが
毎日募っていく。
「サユリって部長から信頼されてるよね〜!」
「え、そうかな…?」
「そうだよ。だって自分の仕事代わりに頼むの、サユリだけだよ?」
そんな優越感を持たせるような言葉にも
欲を出さず流すのが
あいつだった。
そんなあいつが影で俺のことを
「部長は働き者でしっかりしてて
人として本当に尊敬できる上司。」
と口を漏らしていたと
他の女子社員から聞いた時は
その場でガッツポーズをしたい位に
嬉しかった。
---しかし、それと同時に
寂しかった。
どうやっても
俺のことを男として意識することなく
ただ上司としてしか
あいつの目に映っていない
その事実が…
非常に、歯痒かった。
だから
「---ということで、これからこの課の全員で忘年会に行くぞー!」
課長が年末に
オフィスでそう言った時に
これがチャンスだ、そう思った。