俺様な狼上司に迫られて！

「嫌ですー！皆行くなら松岡も行きますっ！！」

「ダメだ。お前これ以上飲んだら帰れねぇだろうが。」







(くそ、不覚だった…。)







いつもしっかりしすぎている松岡に限ってこんなことになるなんて
予想もしていなかった。


まさかこいつが
酒に弱いとは……。








(いや弱いんじゃなくて
酒癖が悪いのか…。)






まぁどっちでもいい。




とにかくこいつを一刻も早く家に帰さなくては…


と俺がタクシーが通るのを待っていれば








「…松岡？
部長、松岡どうかしたんですか？」

「！！」






-------げっ。







思わずそんな声を心で漏らしてしまう。



そう言って来たのは沢田だった。







「あ、沢田くん！
沢田くんからも言ってよー！
部長が二次会行かせてくれないのー！」

「っ…ま、松岡…？
部長、松岡結構飲んでるんですか…？」







そう言って沢田に手を伸ばし
助けを求める松岡の姿を見て

無防備さにグッときているのか


少々顔を赤らめながら
俺に問う沢田。








「そうそう。
ほら、松岡帰るぞ！」






俺は慌てて口調をもとに戻す。


そして沢田に

後は俺に任せて
お前は二次会に先行ってていいぞ

と俺が言おうとしたら…







「お…俺が松岡のこと送って行きますよ！」

「------え。」







お…



(おいおいおい……！)






俺が言葉を発する前に

顔を赤らめながら
何を企んでいるのか想像がつくほど

下心丸見えな沢田が俺に言う。





---勘弁してくれ。