約束〜先生、好きでいます〜
「じゃあ頑張ってくるのよ」
念を押すようにお母さんに言われる。
「はい、行ってきます」
塾の外では先生たちが帰る子を見送っていた。
緊張しながらドアを開けるとあの時の塾長さん。
「光ちゃん、こんばんは」
「こんばんは」
緊張しているのが塾長さんにバレたのか
「そんな緊張しなくて大丈夫
ここはちょっと緩い感じの塾だし授業中も
周りの子の声とか結構してうるさいかもしれないけど慣れてきたらそっちのほうが集中できると思うから
ゆっくり馴染んでくれたらいいから」
「はい」
「席は…Aの席です、いってらっしゃい」
先生1人、生徒2人
それがこの塾のスタイル。
座席はアルファベット順で、3人ずつのスペースで仕切りがしてある。
席に着くともう1人の男の子はもう来ていた。
中学生っぽいな。
授業の準備をして少し待っている待っていると後ろから声がかかった。
「こんばんは」