約束〜先生、好きでいます〜
最後に来たのは高校3年生の卒業式。
約2年前になる。
あ、でもこの塾に通ってたのは高校2年生の頃まで。
高校3年生からは、個別塾で伸びた成績を
更に伸ばすために集団の塾へ移ることになったから。
私のお願いで結城先生にlineを内緒で教えてもらって
高校3年生のとき、たまに連絡はとっていたが
卒業式にどうしても先生に会いたくて来てしまった。
それがここに来た最後かな。
少しドキドキしながらインターホンを鳴らす。
ピンポーン――
「はい」
懐かしい声が聞こえる、この声は…
文系の高橋先生だ。
事務の仕事もよくしていて優しい女の先生で先生が担当していない子からも人気があった。
「卒業生の中園光です。
久々に遊びに来ました!
あの…結城先生おられますか?」
「光ちゃん!? 久しぶりねっ、どうぞ
結城先生もいるよ」
先生に会える…
一旦、深呼吸をしてからドアを開ける…。
ガチャ―――
「こんにちは!お久しぶりです!」