約束〜先生、好きでいます〜
「外行こっか
こうして直接話せるの久しぶりだもんな」
「はいっ」
塾の中は他の先生たちがいるから
きっと2人きりになれるように言ってくれたのだろう。
嬉しくて自然に笑顔になる。
外に出るとさっきはよく見てなかった桜も
今見ると綺麗…。
「先生、私 今日は…」
「今日来ると思ってた」
「え…?」
「だって今日から大学の新学期でしょ?
大学2年生、20歳になる年…
光のことだから今日に来る気がしてた」
先生は悪戯に笑って言う。
「さすが結城先生、よくお解りで」
私の考えてたことが先生が言った通りだったから
少し恥ずかしくなり下を向いた。
「あの時の、でしょ…?」
「私も今年で20歳です。
だから……っ…」
いつかのように人差し指で唇を塞がれる。
「待ってた
あの時の約束、ちゃんと覚えてるよ」
その言葉で私の視界は涙で霞んだ。
私が先生に恋をしたのは…
高校生のときでした―――――