まじかるがーる

恐るべし…!


そして、現在…。


私、紫ノ原 菫(しのはら すみれ)は、何人かの友人に囲まれてプールサイドの隅、日影がある場所に座っていた。


「すみちゃん、無理し過ぎ~」

「大丈夫?菫?」

「病人は大人しくしてろ~!」



あは……返す言葉もないね…。


こんな浅はかな私を心配してくれる友人に心の中で感謝の言葉を念じつつ、濡れた体を拭く。



――は、くしゅんっ!



うぅ、寒い…!


やっぱり風邪だったか…。



「すみちゃん本当大丈夫?風邪かなー?」



桃麻 撫子(とうま なでしこ)は幼馴染みだ。
家が近所で母親同士の仲が良く、家の近くの公園でよく遊んでいた。

それは中学校に上がっても変わることはなく、今でも撫子とは親友だと思っている。

撫子は可愛くて性格も良いのだ。

さらさら艶々な淡い栗色のセミロング。
きらきらと輝く星のような光を称えた吸い込まれそうに大きな瞳は青みがかった栗色。
小さな唇は桃色のナデシコの花弁の様だ。


当然の様にモテる。

付き合っては別れ、付き合っては別れの繰り返し。

新しく出来た彼氏はどれだけ格好よくて優しくて面白くて仲が良くても一ヶ月と持たず別れてしまう。

本人曰く、
『断り切れなくて付き合っちゃうんだけど、相性が合わなくて続かないんだ…』

という事らしい。

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