そういうもの…?

「その雑誌、藤井の?」


まひるのもっている雑誌を指さす。


「まひるのっていうか…友だちの。」


返しそびれたのっていう言葉は言わなかった。

「その友だちって加賀美? 」


「ちがうけど…?」


はあ?といった感じてかえす。


こいつは何が言いたいの?


「ってことは、加賀美は見てないってことだな?よっし!!」


ガッツポーズをする中野。


「沙菜は見たよ?さっき一緒に見てたし…」


バカじゃないの、こいつ。


なんて言葉はしっかり飲み込む。


「はぁ?」


さっきの喜びはどこやら、青白いようなよくわからない顔になる中野。


「加賀美はなんていってた?!」


今にも掴みかかってきそう。


こ、怖い。


恋の力は偉大だね。
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