私を呼んだ。


「おねえちゃん!!」

‥‥ハッ‥‥!

「もう!お休みだからっていつまで寝てんのよ!美和今日遊びに行くからね!」

「‥‥夢‥‥?」

「ん?夢見てたの?」

「え‥‥いや、うん。ごめん、おけおけ!いってらっしゃーい。」

「いってきまーす!」


‥‥夢か‥‥。

あれなんの夢だろ‥‥

‥‥確か子どもが橋から落ちそうになって‥‥。


「んー、ま、いっか!とりあえず起きなきゃね‥‥」


休みの日の私は決まって昼前に起きて朝、昼兼用のご飯を食べる。


「あ、スーツ脱ぎっぱなしだ、昨日はすぐ寝ちゃったしなぁ‥‥」


脱ぎ捨ててあったスーツを片付けようとすると、

‥‥カサッ


ジャケットのポケットになにか入っている。

「なんだろ」


出してみると1枚の紙が入っていた。


(松井翼 090-8×××-××××)



「‥‥これ‥‥!いつのまに‥‥」


あの少年の電話番号だった


「今の高校生って抜かりないな…」


自然と笑がこぼれて

私は自分の手帳にその紙を入れて台所へ向かった。
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