私を呼んだ。
憧れ
「りーん!おまたせー!」
「もぅ!おそい!里美!」
里美からお茶をしようと誘われて行くと
いつも通り里美が遅刻。
「自分がお茶しようっていったくせに!」
「へへ、ごめんごめん。でも私が遅刻しなかったことの方が少ないよね!」
「なに、自分がすごいみたいな言い方してんのよ!もぅ!今日は里美のおごりね!」
「えー!りんそればっかじゃん!」
「ほら!行くわよ!」
「はーい‥‥」
まったく!里美は何度おごらせてもこりないんだから!
いや、まぁ、おごらせてる私もどうかと思うけど‥‥
私と里美は高校生からの行きつけのカフェに行った。
いつも通り店員さんが常連サービスのアップルパイを焼いてくれて里美は上機嫌で話し始めた。
「そーいえばりん、あの高校生は?」
「え?あー、あの翼くんだっけ。」
「お、名前覚えてんじゃーん!翼って言うんだ、可愛いね!」
「そりゃ覚えちゃうわよ。昨日2回もあったんだから‥‥」
「え!会ったの??昨日?私が帰った後??」
「うん‥‥まぁ、ナンパから守ってくれたんだけど‥‥」
「えー!かっけーじゃーん!!やるねぇ今どきの高校生も!‥‥てかまたナンパされたの?今月何回目??」
「3回目かな‥‥でも昨日の人はマジでしつこかったの」
「いいねぇ〜そんなナンパされる人生歩んでみたいよ‥‥」
「何言ってんのよ。里美も今の彼氏ナンパからじゃん」
「あー、そーいえばそーだったね。ナンパされてこんな続くとは思ってなかったけどね!」
里美は大学生の時1つ上の人に海でナンパされてもう5年も付き合っている。
「まぁ、今思えばベタだよねぇ‥‥」
「それを言うな。私だってもっとロマンチックな出会いを期待してたけど‥‥」
「‥‥けど?」
「‥‥かっこよかったんだもーーーん!!」
「結局そこなのね。」
「でもりん!あんた気をつけなさいよ、また変なのに絡まれたらどーすんの!てか例のストーカーは??」
「あー、最近見かけないなぁ‥‥ストーカーじゃなかったのかな?私の思い違い??」
「思い違いだったらいいけど‥‥私超心配してたんですけど!」
「ハハハ‥‥ごめんごめん。」
3ヶ月くらい前から帰る途中帽子を深くかぶった人にあとをつけられてる気がしていた。
その人は2日にいっぺんのペースであとをつけてきたが里美が何日か送ってくれたり、タクシーで帰ったりしているとここ2週間ぐらいぱったりと姿を消した。
やっぱり思い違いだったんだ‥‥