私を呼んだ。


「そろそろ行こっか!」

「そーだね、」



私と里美はカフェを出て、

そのまま帰ることになった。


「じゃ、また月曜日!」

「うん!ありがとう!それじゃあ!」


私の最寄りの方がカフェに近いため私が先に電車を降りる。


「ふぅー、もう7年か‥‥」


顔を上げると雲一つない空に星がチラチラと見えた。


「星なんて久しぶり‥‥」


星を見ながらゆっくり歩いていると


‥‥カサッ‥‥


なにか聞こえる‥‥

後ろ‥‥怖くて振り向けない。

でも、いきなり走るのも不自然だ。

そう思っていると丁度曲がり角があり、ミラーもあった。

そおっとミラーを覗いてみると、

見覚えのある帽子‥‥私の歩くペースに合わせているのがわかる。

やばい‥‥またアイツじゃん‥‥!!里美!!

慌てて電話をかけるが、まだ電車に乗っているのか里美はでなかった。

どうしよう‥‥誰か‥‥!!

携帯の電話帳を震えた手で探ると、

〝松井 翼〟

‥‥あ、そうだ。さっき里美に言われて‥‥

考えるより先に指は通話ボタンを押していた。

お願い‥‥助けて‥‥。



「はい。もしもし。」


電話越しの翼の声に自然と涙がこぼれる。


「‥‥もしもし‥‥!凛子です‥‥!」

「‥‥凛子さん‥‥?」

「お願い‥‥助けて‥‥誰かつけてくる‥‥!」

「わかりました。どこですか?今」

「私の家の近くのコンビニの角‥‥家知られるのが怖くて‥‥」

「わかりました。コンビニに入っててください。絶対に出ちゃダメですよ。俺がいくまで。」

「‥‥うん。」


私は言われるままコンビニに入ると帽子の男はやはり私をつけていたのか、外でタバコを吸うフリをして中を確認してくる。


‥‥怖い‥‥。なんなのほんとに‥‥

すると‥‥男がコンビニに入ってきた。

え、なに、どうして‥‥こっちに来る。

私は慌てて反対側からレジの方へ行くと

タイミング悪くレジに誰もいない。

‥‥もう!なんでいないのよ‥‥!

男がつけてくる。

やばい、ほんとにやばい!

私は外に出ようとすると、

‥‥グイッ!

「あ‥‥!」

捕まった‥‥!

どうしよう、助けて‥‥!

すると、

「ぐわっ!」

後ろから男の声がした。

‥‥え‥‥私を掴んでいた手はそのまま私を引っ張りコンビニを出た。

「凛子さん、ダメですよ。俺が来るまで出ちゃダメって言ったのに出ようとしてたでしょ?」

「‥‥翼くん‥‥」

私の腕を掴んでいたのは‥‥

「‥‥来てくれたんだ‥‥」

自然と力が抜ける。涙もこぼれそうになった。

「お待たせしました。」


翼は凛子の腕を掴んだまま、少し微笑んだ。

すると後ろで翼くんにみぞおちキックをくらった男が立ち上がってきた。

「‥‥チッ‥‥クソが‥‥!」

男はズボンの後ろポケットからナイフを取り出し、こちらに向けた。


すると翼は私の腕を掴んだまま自分の後ろに私を隠した。

「‥‥おい、ガキ‥‥そのお嬢ちゃんは俺が先に見つけたんだよ‥‥こっちによこしな‥‥!」

男はナイフを揺らしながら近づいてきた。

「‥‥俺が先に‥‥?なめんな。俺はこの人を7年前から狙ってんだよ。」

‥‥んー、ここだけ聞くとこいつの方がストーカーっぽいな‥‥


「何わけのわかんねえこと言ってんだ‥‥!死ね‥‥!」

男はナイフを突き出しながら走ってきた。

「‥‥危ない‥‥!」

私が声を出すと、翼は私をつかむ力を強くして、

‥‥カキーン‥ッ!


下から上に右足を蹴りあげ、男のナイフを根本から折った。


「‥‥なっ!」

男が混乱していると翼はつかさず右足を降ろすと同時に左足で男はの右頬を蹴り男は入口近くにあるゴミ箱に吹っ飛んだ。

「うぉ‥‥!」

< 15 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop