私を呼んだ。



「そーいえば、加藤さんと昨日あったんだ。」

「え?どこで?」

「昨日兄貴の結婚式でさ、会場がたまたま加藤さんの家の近くでさ!帰り道あったんだよ、‥‥そしたらね‥‥」

「‥‥ん?」

「加藤さんどぉーーーも、りん狙いかもよ‥‥」

「‥‥!!う、うっそだぁー!」

「ほんとだって!」

「そんなの信じませーーーん。それに‥‥、」

「それに?」

「里美わかってるでしょ?私は彼氏は作りません。加藤さんはただの憧れ。」

「‥‥まだそんなこと言ってんの?りん。」

「‥‥決めたの‥‥私‥‥。」

「‥‥りん‥‥。」





~~~~昨日~~~~~



「お、信条じゃん!なにしてんの?綺麗な格好して!」

「あ!加藤さん!こんばんは!いやぁ~兄貴の結婚式でして‥‥」

「あーそーなんだ!おめでとう。」

「ありがとうございます‥‥。別に私の結婚式じゃないけど‥‥アハハ。」

「あれ、伊藤は一緒じゃないの?」

「あ、はい。親戚以外はあんまり呼んでないみたいで‥‥」

「そーなんだ‥‥。‥‥なぁ、信条‥‥」

「はい?」

「伊藤って‥‥あんま彼氏つくんないって噂なんだけど‥‥前別の科にいる僕のダチがアプローチしに行ったら結構拒否られたって‥‥」

「え!私聞いてないぞ!りんのやつめ!‥‥アハハ‥‥。まぁ、そーですね。私もあの子の心が全てわかるって訳じゃないんで、ちゃんとはわからないんです‥‥。」

「そっか‥‥。あいつ、ご両親いないのは知ってたけど、やっぱりそーゆーのも‥‥」

「‥‥辛いより悩むことが先に来てしまったんです‥‥きっと‥‥。妹もその時はまだ小学生‥‥。なにより、ご両親が亡くなったのは自分のせいだと思ってるんじゃないかって心配しました。」

「‥‥。」

「ご両親のお葬式の日。りんは泣きませんでした。‥‥そして言ったんです。泣きつかれて眠った妹をおんぶしながら‥‥」


(「里美‥‥。私‥‥この子の幸せのために生きる‥‥。せめて‥‥この子より長く愛された7年間は‥‥。」


「‥‥7年間‥‥?りん‥‥どーゆーいみ‥‥?7年後は‥‥?どーするの‥‥?‥‥変なこと考えてないよね‥‥?」

「‥‥‥‥。」

「‥‥りん!!!」

「‥‥7年間‥‥この子だけを見て生きるって意味だよ。」

「‥‥‥‥。ハハ‥‥だよね。ごめん‥‥。」)






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