私を呼んだ。
私はただただ驚いた。
彼の過去にももちろんだが、
私が出会ったあの少年が彼だったのだ。
忘れていたんじゃない。
むしろ忘れられない少年だった。
ただ、あの鋭い目の少年がこの綺麗な目の彼とは思わなかった。
そして、
あの少年と出会った次の日。
わたしの両親が亡くなったのだ。
私は自然とあの時の記憶を思い出さないようにしてたのかもしれない。
「‥‥凛子さん。」
彼は私の手をとった。
「俺‥‥あの時のあなたと同じ歳になりました‥‥。あなたと同じように心が綺麗になったかはわからないけど‥‥。」
彼は私の目を見つめた。
「俺はあの時からずっとあなたのことだけを考えて生きてきました‥‥
凛子さん。好きです。」