私を呼んだ。
「はぁ~、どーしよ‥‥」
加藤さんに送ってもらい、家についた私は
とりあえずお風呂に入った。
~〜~〜~〜~〜
「‥‥返事は‥‥あとでいい‥‥ただ、本気で考えてくれないか。」
「‥‥加藤さん‥‥」
「じゃ、また会社で‥‥」
~〜~〜~〜~〜~
帰り際のあの会話が頭の中でループする。
「無理だよ‥‥私には‥‥それに‥‥」
目を閉じると浮かんでくるのは、
あの少年の顔だ。
だめだ‥‥ほんとに私‥‥
妹の想い人をこんな思い出しちゃうなんて‥‥
てかデートしてるじてんでどーだよ。
はぁー、ほんと最悪。
「でもなぁ‥‥あの子が‥‥」
目つきが悪く、伸びっぱなしの髪、傷だらけの体、そして荒い言葉遣い。
どーしても結びつかなかった。
あんな綺麗な目をした少年になるなんて、
誰が思うだろうか。
(「凛子さん、好きです。」)
ごめんね、
あなたが好きなのは、
何も考えず行動して突っ走っていたあの日までの私。
そんな〝凛子さん〟は、
もうどこにもいないよ。