私を呼んだ。






息を切らしながら歩いた、


施設の前ぐらいまで来ると


「おい。」


振り向くと同じクラスの


男子3人ぐらいに声をかけられた。



「お前同じクラスの松井翼だろ」


「だからなんだよ」


「なんだよその態度声かけただけだろ」


「‥‥‥‥」


「何でこんなとこいんだよ」


「‥‥‥‥」



俺がずっと黙っていると


1人の男子が施設を見つけた。



「お前そこの施設暮らしかよ!」


「‥‥‥‥」



「はっはは!まじか!いっつもつまんなそうにしてると思ったら‥‥」


「‥‥‥‥」


「寂しい僕を演じてたわけ?それかやっぱホントの親に育てられてないから感情もないのか?」


「‥‥‥‥」


「だったらもっと素直になってりゃ仲間にいれて‥‥」













気がつくと体が勝手に動いていた。






右の拳と顔、足、お腹などほぼ全身が痛い。



雨で前が見えにくい、痛くて歩きにくい。



何故か施設とは別の方向へ歩いていた。




来たことないな‥‥ココ。








橋‥‥?川か。






なんとなく橋に腰掛けて川を眺めていた。



雨で見えにくいはずなのに、記憶に残る母親の顔が川に映った。




ここから跳ぶと楽になれるのか‥‥


馬鹿な事を考えた。


すると雨で他の音が聞き取りにくいはずなのに


‥‥聞こえた。






















「ちょっとー!危ないよー!」








あぁ、助けに来てくれた。
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