私を呼んだ。
笑顔
「お姉ちゃーん!学校行ってくるねー!」
「え!ちょっと早くない??」
「今日日直なのー!昨日言ったじゃーん!」
「そーだっけー?」
「もう!行ってきます!!」
「いってらっしゃーい」
もう、お姉ちゃんは忘れっぽいなぁ‥‥
まぁ、ちょっと沈んでる時に言っちゃったからな、聞いてなかったのかも‥‥
姉は帰ってくるなりソファに横になりずっとクッションに、顔を埋めていた。
どうしたの?って聞いても、〝なんでもない〟の一点ばり。
知っていた、姉が両親を亡くしてから私に気を使い、恋人を作らないでいたこと。
だから王子がお姉ちゃんのこと好きでも、お姉ちゃんが王子のことを好きになったとしても、恋人同士にはならないことはわかっていた。
私にとってはチャンス同然だった。
自分の好きな人が誰のものにもならないことのだから、
‥‥でも私はお姉ちゃんみたいに綺麗でもないし、賢くもない、出来損ないの妹‥‥
1度姉を好きになった人がこんな出来損ないの妹を好きになるはずがない‥‥
わかってる。