私を呼んだ。
自分でも馬鹿なことを言ってるのはわかった。
「私‥‥心配なの‥‥翼が傷ついてるところなんてもう見たくないし‥‥」
〝 心配〟とゆう言葉を翼をつなぎとめておく口実に使う自分が汚いことはわかっている。
「誰がいつ傷ついたよ‥‥」
顔を上げると翼はさっきと顔色1つ変えないで言った。
「俺は逆に凛子さんに会って傷ついた心が晴れた気分だったよ。」
そー言って翼は私に背を向けて歩いていった。
‥‥あの時、私は背を向けて歩いていった翼に興味を持ったが、
今は〝 私に興味がない〟と言って歩いていってるように見えた。
どーして。
今叫んでもあなたはあの時と同じように
振り返ってはくれないんでしょ‥‥?
あの人ばかり見つめて‥‥。
そう、いつもそう。
私はあなたの背中を見えなくなるまで見つめるだけ‥‥。
「‥‥私の方が‥‥何もかも近いのに‥‥。」