私を呼んだ。
綺麗な瞳
‥‥‥‥‥‥
「‥‥ふぅー、終わったー!!」
「おーーつかれ!」
いつものように里美と休憩室で待ち合わせ、
今日の愚痴をこぼしながら帰るのが私達の日課。
「あ、りん、今日の加藤さん帰る前に拝んとかないで大丈夫?」
「もう!またからかって!!」
「にゃっはは〜!」
また里美はいつものように笑っている。
「あ!そうだ!りん!私ちょっとこのあと兄貴んとこ行かなきゃだった!ごめん!先帰ってて!」
「あ、明後日お兄さんの結婚式とか言ってたね!」
「そーなの!受付とか私の仕事だからって!もーめんどくさいよー」
「まぁまぁ、たった1人のお兄様でしょ!いってらっしゃーい!」
「はぁーあ、まぁ、いってきまーす!」
里美は文句を言い出したと思ったら笑顔で手を振って駅へ向かった
なんだかんだ、お兄さんのこと好きだしねぇあの子。
そう思いながら里美の後ろ姿を眺めていると…
「おねーーーーさん!!1人かなぁー??」
「へっ?」
振り返ると20代後半ぐらいの男の人2人がニヤニヤしながら顔を近づけていた。
「可愛いね!お仕事帰りかな??」
「あ、はい…そーです‥‥」
「いいねぇ〜明日土曜日だしパァーっと遊びたい気分っしょ!」
うわぁ〜ベタなナンパだなぁ‥‥
「いえ、今日はこのまま帰るんで‥‥」
「なーんか冷静だねぇ、ナンパされ慣れてるって感じ??」
「お姉さん可愛いっしね!」
「あ、どうも‥‥それじゃぁ」
うざいうざい、絡みがうざい。
「おーーーっと!!まだ話終わってないじゃん!」
「いや、ほんと疲れてるんで帰ります‥‥」
「つかれてる??それじゃカラオケだね!」
いやいや、なんでそーなる!
「すいません、帰りまぁーす…」
パシッ!
そっぽ向いて帰ろうとすると右腕を力強く捕まれ引き寄せられる
「きゃっ!」
「なに可愛い声出しちゃってんの?」
「とにかく行こうぜ!」
「はっ離して!!」
振りほどこうとも全然敵わない
こんなしつこいナンパは初めてだ。
‥‥もう‥‥なんなのよ!
自然と恐怖が押し寄せてきたその時…