私を呼んだ。













「ジュースこれだけで大丈夫かな」


私はオレンジジュースとリンゴジュース、炭酸飲料を1本ずつカゴに入れてレジへ向かった。




「あ、俺出しますよ!チビ達飲むんだし‥‥」


「いいわよ、お客さんだもん。おもてなしさせてよ。」


「で、でも‥‥」


「前でかけた時ほとんど翼くんが出してくれたじゃない!こんなの安いわよ!」


「あれはあれでしょ!てゆーか、〝でかけた時〟じゃなくて〝デート〟ですよ!」


「はいはい。」






私がお会計を済ますと翼はすいませんと言ってジュースの袋をぱっと持った。






スーパーを出て家に向かって歩いていると電気屋さんのテレビに子ども向けアニメが映っていた。


「あれ、チビ達好きなんですよ。毎週テレビ占領して見てますよ。」


「え、なにあれ?私知らないー」


「なんか今人気らしいですよ、俺もチビ達がいなかったら知らなかったですよ。ジェネレーションギャップ?ではないか、でもそんな感じですよね」


「あら、私も翼くんや美和とジェネレーションギャップ感じたりするわよ」


ちょっと微笑みながら言うと


翼は私の顔をのぞき込むように





「俺は凛子さんとのジェネレーションなんか飛び越えちゃいますけどね?」




とニコッと笑って言った。




「もう‥‥また‥‥」


「はははっ」




























「今日は本当にありがとうございました。ケーキまでもらっちゃって‥‥」



楽しい時間はあっという間に過ぎて

夕方になっていた。





「いいえー、また来てね!みんな!」



「くるー!」「美和と凛子と遊ぶ!」






「こら!美和さん、凛子さんだろ!」









「いいよー!美和で!ね!お姉ちゃん」


「うん!また遊ぼーね!」









元気よく帰っていく子ども達の背中を見送った。



あの小さかった少年が、


あの目つきの悪い少年が、








今あんな大きくなって、


たくさんの子どもの笑顔に囲まれていた。
< 60 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop