私を呼んだ。








髪をかきあげられると、いつもよりはっきりと翼の顔が見えた。




見上げた先にあった彼の顔は少し赤らみ、綺麗な二重幅を少し広く見せるように目を細めて優しく私を見つめていた。







「‥‥どーしたの?」





私は顔を見れず真正面を見ながら口を開いた。






「すいません‥‥顔が見たかったんです。」




「見たかったって‥‥さっきから話してるじゃない‥‥」





「‥‥可愛いなぁと思って‥‥」






「もう!またからかって‥‥」





私が左手で彼の肩をトンっと押すと、





「‥‥からかってるように見えますか‥‥?」





彼は私の左手を掴み自分の方に私の体を向けさせた。















「なにひとつ変わらない‥‥あなたは‥‥出会った時と‥‥。だから俺も‥‥あなたを好きな気持ちは変わらなかった‥‥。」





彼の手から人形が落ちる音がした。




彼の左手は私の腰に置かれているからだ。
































トクン‥‥‥‥‥‥‥‥















私の左手と腰から伝わる彼の熱が異様に熱く感じる。








火照った顔をみられたくない。









けど、彼の綺麗な切れ長の目から目が離せない‥‥。


















あぁ、私。



















































彼のことが好きになってしまったんだ‥‥。




< 63 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop