私を呼んだ。
「妹がさ、殴ってきたよ。俺のお腹ポカポカって!」
「え?なにかしたの?」
昼休み、いつものように里美のクラスに行って、彼と話した。
「いや、お兄ちゃん彼女ができたんだーって言ったら、なんでそんなの作ったのよ!!!!って」
笑いながら話す彼を見て、どー返していいかわからないままつられてハハハと笑った。
「妹ちゃんに悪いことしちゃったかな‥‥」
「‥‥なんだよ、妹の方が好きかよ?」
「え!そんなこと言ってないじゃん!会ったこともないし‥‥」
「ははは!冗談だよ。」
「もう‥‥!」
翼が好きだと自覚してしまった夜。
何故か外の空気を吸いたくなり、フラリと散歩に出掛けた。
そして、彼のことも‥‥
私のせいで別れてしまった‥‥
ふぅーと息を吐くと同時に空を見上げると、
星が広がっていた。
「きれー‥‥」
不意に立ち止まって見上げた空があの日の事を思い出させる‥‥。
「‥‥凛子‥‥?」
声がした。
私の左側から‥‥
聞き覚えのある‥‥胸にささる声‥‥
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥陽輔‥‥?」