私を呼んだ。
お兄ちゃんもあの人も口を開かないまま、
沈黙だけが流れた。
この瞬間に確信した。
あぁ、私の大切な存在を1人、この人に取られたんだと。
そして、2人目もこの人に取られるだろう。
何度私から大切な物を取れば気が済むんだろう。
何度私を苦しめたら気が済むんだろう。
この人は多分。私があなたという存在で苦しめられていることも、私の存在さえも、知らなかっただろう。
「‥‥江口咲姫です。」
私とゆう存在を思い知れ。
「あ、伊藤凛子です。」
あんたの存在なんか、知りすぎて反吐が出そうだ。
知らないなら今から知ればいい。
あの2人には私という大切な存在がいるんだ。