私を呼んだ。



「今日は本当にありがとう。こんな、家の前まで送ってもらって‥‥」

「いえ、俺は凛子さんといれて本当に嬉しいです。」


もぉーまたそー照れることを‥‥//


「また…会ってくれますか…?」


少年は目線を下げていた私の顔をのぞき込むようにして言った。


「あ…うん…」


そう言うと少年は嬉しそうに微笑み姿勢を起こした。



「凛子さん。」

「ん?」

「好きですよ。」

「‥‥!もう!さっきも聞いたよ‥‥」

「はい。言いました。」

「‥‥からかってる??!」

「ハハッからかってません。」


‥‥なに、このラブラブトーク!!

妙にドキドキしますなぁ…

いや!だめだめ!相手高校生だよ!!

しかも今日会ったばっかだし‥‥

でも‥‥ほんとに会ったことあるのかな‥‥

この子と‥‥


こんな話しをしてたら


「おねぇちゃーん!」

「あ!美和!」


私の妹、美和が帰ってきた


「おかえり、遅かったのね」

「うん、ちょっと寄り道して‥‥」


美和は少年の方を見るとすごく驚いた顔をして


「あぁ!!お…王子‥‥」


‥‥王子??


「え、美和、知り合い??」

「知り合いってか‥‥同じ学校‥‥」


美和は少し顔を赤らめていた


「どうして‥‥美和の家に‥‥?」

「あー、ちょっと色々あって、送ってもらったの」

「え、そーなんだ‥‥」


美和は少年‥‥翼の方を見て


「美和‥‥隣のクラスなんだけど‥‥知らないかな?」

「‥‥ごめん、ちょっとわからないや‥‥」

「そ、だよね‥‥うん!ごめんね。」

「…伊藤美和さん?今覚えた。」


翼は軽く微笑むと美和は驚くように目を見開き、また顔を赤らめて下を向くと


「‥‥ありがとう‥‥」


と小声で答えた。


「それじゃぁ凛子さん、いい返事待ってます」


少年は切れ長の綺麗な目でまっすぐ私を見て少し微笑むように言った。
そのまま軽く頭を下げて帰っていった。


「お姉ちゃん。いい返事って‥‥?」

「あぁ‥‥なんか‥‥付き合ってくれって‥‥」

「えぇ!!つ、翼くんに!?お姉ちゃん翼くんと知り合いだったの!?」

「いやいやいや!今日あったばっかなの!なんか7年前あったとこあるとか言われたんだけど‥‥」

「‥‥そーなんだ、翼くんお姉ちゃんのこと‥‥」


美和は少しうつむくように言った。


「美和‥‥?もしかしてあの子のこと‥‥?」

「いやいや!そんなわけないよ!!学校の王子だよ!」


確かにあの顔だちだとそう呼ばれるのも納得がいった。


美和の反応から見てあの少年に特別な感情を抱いているのは確かだろう。


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