夢見のさだめ
◆Ⅶ夢 淡い熱
お城にお邪魔してから数日。


あれから放課後、ランスロット王子とお会いする事はなくなった。


お昼をご一緒する事はあるけど、その時はジーナも一緒に居るから、なんとなく突っ込んだ話をし辛くて、当たり障りのない話ばかり。


公にはされていないが、国王陛下に毒を持っていたのは国王陛下の弟君だったと、ドミニク王子が教えてくれた。


弟君は隣町の収容施設の奥へ幽閉される事になったらしい。


ランスロット王子もドミニク王子も辛い筈なのに、それを表にはださない。


流石だよね。


でも、気持ちを吐き出せる場所がちゃんとあるのか心配になる。



「見て! ランスロット王子よ!」

「最近雰囲気が変わられたわよね。 どうにかしてお近づきになれないかしら」

「あら、ドミニク王子一筋だったんじゃなくて?」

「ランスロット王子も素敵だわ」



休み時間、近くの席に座って居る女の子たちの会話が嫌でも耳に入ってくる。


そんな女の子たちを、ジーナは呆れた顔をして見ている。




< 103 / 143 >

この作品をシェア

pagetop