夢見のさだめ
「現金な子たち」

「しょうがないよ。 だって、本当雰囲気変わったもん」



アイリス様の一件から、城内でもランスロット王子を評価する人たちが増えたと、パパが言っていた。


最近知った事だけど、どうやら盗賊相手に大活躍だったらしい。


それ以来政務にも積極的に加わる様になり、ランスロット王子の株は上がる一方だ。



「このままでいいわけ?」

「このままでいいも何も、どうしろって言うのよ」

「だって一番最初にランスロット王子の良さに気付いたのは、エヴァでしょ? それなのに他の子に先越されたら嫌じゃないの!?」

「ランスロット王子の良さは、もっとたくさんの人が知るべきだよ」

「あーもう! 嘘でしょ!? 信じらんない。 素直になりなよ」



ランスロット王子の存在をどんどん遠くに感じる。


だけど、それが元々の距離だったんだと思うと、納得してしまう自分がいる。


借りた本も最後まで読みたいのに、中々先に進めない。


読み終わってしまったら、そこでランスロット王子との関係が終わってしまいそうな気がするから。



< 104 / 143 >

この作品をシェア

pagetop